緊急入院
6月3日(木)より6月7日(月)までの5日間,緊急入院することとなった。
5月31日に記したとおり,先週より体調は優れなかったが,疲労は慢性的に蓄積され,その中で風邪をひくことは珍しいことではなくなっていたから,それ以上のものではないと思っていた。しかし,これまで風邪とは無関係に「胃痛」を常習的にもってはいたものの,「腸」そのものが痛むということは,風邪に伴ってさえなかったことであった。
次いで,6月1日の夜には,更にこれに追い討ちをかけるように悪寒が走り,自宅の体温計にて体温を測るも,高熱のために振り切れ,また,腹痛・頭痛・嘔吐が伴うために,いよいよただ事ではないと思い,近くの病院の夜間診療に駆け込んだ。そこで再度体温を測ると,39.6度であった。その場では応急的な処置を施すしかないために,点滴と解熱剤の投与を行い,翌日,精密検査をすることとなった。
科学的に分析できないこの段階において,この症状(高熱の伴う腸の痛み)から推察される病気は,ほぼ「盲腸」であるとのことであった。自覚症としては,左腹部が痛む。ところが,もしも盲腸であるならば,確実に右側が痛むはずであるというのである。実に不可解である。
翌6月2日,朝一番で診察を受け,血液検査,レントゲン検査を受けた。結果,血液検査から白血球(好中球)が異常に増加し12000程もあり,また,レントゲン検査から盲腸ではなく,急性腎盂炎の症例であることがわかった。
しかし,発症直後の処置が迅速であったために大事には至らず,抗生剤の錠剤を投与すれば治まるであろうとの判断から,通常の生活をして様子をみようということになり,帰宅した。
ところが,その夜,はやり高熱に頭痛・腹痛・嘔吐が伴い,通常の生活ができる状態ではないと踏んだために,再び,夜間外来に駆け込み,点滴を受け,翌日に入院したいとの申し出をしたという次第である。
敗血症
今回,急性腎盂炎であることがわかったのは,あくまでも精密検査の結果によるものである。
もしも,自覚症のみで素人判断し,市販の風邪薬及び解熱剤にて一時的に治癒した様に見えたとしても,それは一時的なしかも偶然的な回復に過ぎず,再び自覚症を訴えたときには,その症状は極めて重かったとも考えられる。現に,白血球数の異常増加からもわかる通り,免疫機能が極度に低下しているために,健常者が普通に生活していて普通に体内に入り込み平気でいられるような類のあらゆる雑菌が体内で異常増殖を起こしていた。
夜間診療での応急処置が施されたとき,敗血症を引き起こしかけていたのだと思われる。即ち,病原巣から血液を通じて全身にその増殖した雑菌が拡散され,ありとあらゆる臓器が二次感染を引き起こす症状であるが,処置があと数時間遅れていた場合には,短時間のうちに重篤な状態へと陥ったであろうことは,容易に推察される。
すぐさま入院への決意を促したのは,どこまでも腹痛と嘔吐が伴われたことによる。口から栄養の摂取及び錠剤の投与をすることが生理的にできない以上,その全てを点滴に頼るしかないと判断したからである。つまり,この腹痛及び嘔吐がなかったならば,入院しようなどとは思いもしなかったはずなのである。
ところが,回復後に主治医に尋ねてみたところ,この腹痛・嘔吐は,一般的には,急性腎盂炎に伴うものではないというのである。これは,急激に白血球が増加し,高熱が出たために,本能的に防御のために腸がその機能を停止させたために自覚症として起こったものだったのである。
つまりは,こういうことであろう。私が重篤な状態に陥らずに済んだのは,たまたま引き起こされていた二次的な症状であった「痛み」から解放されたいという願い,この一点によるものであったのだ,と。
過労とストレス
主治医の診断からもわかる通り、入院の原因となった傷病名は腎盂炎(及び腎結石)ではあるものの、その傷病そのものの原因に関しては「不明」となっている。当然である、この病気の原因は現在まで医学的に解明されていない。しかし、どの医学書も指摘しているのは、ひとしく過労及びストレスである。
即ち、大学の異常な体制が続く限り、この過労及びストレスは続き、今後とも同様の症例を繰り返す可能性は大である。これが常態化した場合、慢性化する。そしてその場合、腎機能は正常には働かず、人工透析を余儀なくされることとなるであろう。
こうして、私が世の馬鹿どもと付き合っていられる暇があるほど悠長な身分ではないということが傍証されたわけである。
旧ウェブ日記2004年6月8日付