故障
先日,これまで使用してきた除加湿機能付き空気清浄機「クリアフォース」(ACZ70P-W)が故障してしまった。この製品は2014年1月に発売され,同年11月には生産終了している製品である。
これまでも何度か修理に出したことはあるのだが,今回の症状は「除湿」および「加湿」の機能が正常に働かないというものであり,コンプレッサーの問題である可能性が高い。
ところが,空気清浄機の基幹部品在庫は製造中止後6年ほどだということであるので,今回修理に出したところで,実際には部品が入手できず,単に点検料金だけを取られて終わりということになりかねない。
よりにもよって湿度が異様に高くなってきた時期に故障が生じ,日中横になっていたところ,除湿できないまま稼働し続けた結果,コンプレッサーによって室温も上昇したために,寝苦しくて目覚めると汗だくになっていた。確認すると,気温30℃湿度80%近くになっていて,熱中症になりかけていたようだった。
下手をすると生命に関わる問題となる。急遽,後継機種を購入することにした。
後継機
当然,後継機種は幾つかあって部屋のサイズに合わせて相応の値段のものがそれぞれ準備されているものだと思っていたのだが,メーカーのウェブサイトで確認をしたところ,除湿と加湿の両方の機能をもった空気清浄機は一つしかないことがわかって唖然とした。
「クリアフォース うるるとさらら空気清浄機」(MCZ704A-T)という製品なのだが,実売価格としては13〜17万ぐらいだ。しかし,いつも利用している近くの量販店では扱っておらず,ネット通販でなんとか13万ぐらいで手に入れた。
設置する部屋は「和室」なのだが,これまで様々な物件 — 実家や賃貸も含めて — に住んだ経験上,湿度が60%を越えるとカビが生え,壁紙を全部交換でもしない限り,将来的にもカビの健康被害に悩まされ続けることになるということがわかっているので,先ず除湿のことを優先的に考える必要がある。ここでケチると,将来的に生じるであろう不具合の解決のために,一桁分多い対策費用が嵩んでくる可能性があるわけだ。
しかも,拙宅の部屋配置がちょっと特殊で,実はこの和室はリビングダイニングキッチンに隣接すると共に,中央廊下にも隣接し,更に,その廊下を挟んだ反対側がバス脱衣室になっているため,この除加湿器を設置する予定の部屋自体は団地6畳サイズではあるものの,実質的には,リビングダイニングキッチンと廊下およびバス脱衣場を合わせた面積分の空気を調整する必要がある。
つまり,メーカーサイトにあるように,実質的には最大32畳分ほどに対応するこの機種が丁度いいということになるわけだ。
実は,この和室にはあと一つ特殊な事情がある。この部屋にはエアコンの専用取り付け箇所があるため,小型のものを取り付ければ,このようにわざわざ除加湿器を設置する必要はないはずなのだが,室外機を設置できる場所から遠すぎるために,大掛かりな配管工事が必要になる上,ホースが長すぎて,エアコン本来の機能が十分に発揮できない可能性もあるというのだ。
それで,隣接するリビングダイニングキッチンのエアコンを少し大きめの部屋用のものにし,和室で除湿および加湿の機能を補ってやるという形にして,今に至るわけだ。
とにかく,その製品が届いたので,設置および動作確認を行った。操作や各設定については殆ど先行機種と変わりなく,また,正常に動作することも確認できた。
スマートアプリ
wifi設定
ところで,最近のエアコン機種は,専用スマホアプリで操作が可能になってきている。
とにかく,スマホアプリをダウンロードしユーザー登録して,後は機種毎にアプリで指示された通りに設定操作をしてやるだけで使用できるようになる。これで手元にリモコンがなくとも操作ができるばかりか,エアコンの設定状況を一度に把握することができ,大変便利だ。
設定手順としては,予め本体に記されているSSIDとパスワードとを使用して本体とwifi接続し,その状態で,自宅wifiのアクセスポイントを登録してやるだけのことだ。
既にエアコンのほうはアプリ設定を終えて使用していたので,今回の除加湿空気清浄機も簡単に設定できると思っていたところ,酷く手間取ってしまった。
本体とのwifi接続は難なく済ますことができるのだが,そこから自宅wifiにアクセスしようとするとエラーになってしまい,振り出しに戻る,ということを繰り返していた。
原因は単純で,拙宅wifiでは,それぞれのwifi機器の「MACアドレス」に対しマニュアルでIPを割り振り,更に,アクセスできるMACアドレスに制限をかけているからだ。これで,仮に拙宅のルーターにたまたま外部からアクセスしようとしても,その機器のMACアドレスが予め登録されていなければ,絶対にアクセスできない。
ところが,今行おうとしているのは,新たな機体(除加湿空気清浄機)をwifiに接続するという極めて単純な設定である。が,同様に,この機体のMACアドレスを予め登録しておかなければ,拙宅wifiにアクセスできないのは当然である。しかし,肝心の本体MACアドレスをどうやって知ることができるのだろうか?
そこで,メーカーの技術担当部門に電話で問い合わせてみたところ,対応してくれた担当者は極めて丁寧に確認して下さったのであるが,結論としては,こうした事態は想定外のことで,アプリの設定上では,この機器情報を表示するオプションは準備されていないとのことだった。
担当の方は,丁重に謝っておられたのだが,技術的にはそれほど高度な事柄に属するものではないにしても,一般ユーザーは,そこまでセキュリティーのことを考えているわけではないだろう。今回のこの電話では,一応,アプリ操作の確認ということに留め,将来的なアプリ設定の改善点として意見をお伝えしておくだけにした。
MACアドレス確認
しかし,不思議なのは,以前に購入したエアコンを,現にこのアプリで操作できるように設定済みであるということである。それを設定した際に,どうにかしてMACアドレスを割り出し,それを拙宅wifiに登録していたはずなのだ。その手順が思い出せなかった。
これは単純に,ルーターのwifi設定の問題になってくる。それで,MACアドレスを確認する方法を見付け出すのに,数時間を要することになった。
結局,一旦ルーターの「MACアドレス制限」を無効化した上で,「DHCPリース」で自動割当になっているMACアドレスを見付け出し,手動割当でIPを明示的に割り当てた上で,このMACアドレスをやはり手動で接続許可リストに加えてやったところ,無事にアプリ設定が成功した。結果として行った作業は,かなり初歩的な事柄だ。
どうも,今回設置した除加湿空気清浄機は,既に隣室に設置してあるエアコンとアプリ上で連動できるようで,このところの異様な気候変動に対して,どこまで対処できるのか,少し興味のあるところだ。
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