Hello, World!

MACHINA

はじめに

このような記事タイトルを記すと,如何にも初投稿のように見える。

だがしかし,既に他のカテゴリーの記事は幾つか投稿していて,その作業をしながら,今では一通りの入力と各種機能のチェックを済ませている段階だ。特に,今この記事を入力している WordPress 標準の「ブロックエディター」は少し癖があって,最初のうちは戸惑いも多かった。だが,その癖がわかってくると,入力のストレスも少しずつ軽減されてくる。

これまで旧サイトでは,このような便利な入力ツールは存在せず,全て HTML/CSS に則って手打ちで書き上げていた。今こうして新たに WordPress というシステムを体験してみると,これまで旧サイトで20年間かかって自らが徐々に積み上げてきたものが,一気に革新されたのだと確信している(言葉遊び)。

表示のための文字入力

こうして記事を投稿するウェブツールは,単純化すれば,「入力」し「表示」しているだけのことであるのだが,ウェブサイトとしてはどう「表示」されるのかという問題は遥かに大きい。つまり,どのようにすれば巧く「表示」できるのかを考慮して「入力」することになる。

例えば,段落構成やリンク,画像や動画の挿入,あるいは文字や文の装飾等々,ある「表示」をするためには,単に「文字」を打ち込みさえすれば終わるというわけではなく,ウェブ上の「表示」のしきたりに従う必要があり,そのための記号の打ち込みをしなければならない。

思考を整理するために「文字入力」しようとしているにも拘らず,記録されるべき文書の「表示」のために「文字入力」に力を注がなければならないというのは,転倒ではないか?

従って,思考が損なわれないように記録できるよう,その「表示」のための「文字入力」は,なるべく自動化され無駄のないものでなければならないことは必至であろう。そして,今回 WordPress に手を染めるにあたって,旧サイトと共に歩んだこれまでの苦労の足跡をなんとなく振り返りたくなってきた。

ウェブ日記

旧サイトは2004年に開設し,その当初は,何よりも先ず日々の出来事や思索を言葉に綴ることが目的であったため,本当に覚書のように書き溜め,その記述の日付がしっかり記録されれば,それ以上の機能は必要ではなかった。

ところで,当時ようやく BLOG のシステムが出てきて,既にこうした「ウェブ日記」は廃れ始めていた。というのは,BLOG は各ユーザーが個人的に何らかの情報を発信し,それを他のユーザーの発信する情報と即座に繋がり,リアルタイムに相互交流することを目的としていたため,現在の SNS の原型となるものがそこに見られるからである。

実際,最初「ウェブ日記」を設置しようとしたとき,一度は BLOG サービスの導入も検討し,実際にある程度まで設定をして使ってみようとしたものの,試験的に運用してみて数日で見限ってしまった。

私に必要なのは,既述の通り,至って基礎的な HTML/CSS による書式の整形を半自動化してくれるような機能であったのだが,当時ユーザー数を誇っていた BLOG サービスでさえ,私の使用ポリシーにとっては全く必要でもなく却って妨害にしかならない機能が限りなく付属していて,サーバー側が余計な制御をしてしまって勝手に書き換えてしまい,しかもそれら意味のない機能を停止させるオプション項目がなかったからだ。

本来的には,HTML を文章構造に,CSS をデザインに用い,分離させるべきところ,そのプログラムを作った人間どもが HTML/CSS の根本を理解できない程の粗雑な知能しかもっていないのか,HTML を変更しようとすると,同時にデザインが一緒に意味もなく崩れてしまい,その原因を特定するのに時間が浪費されるという有り様だった。

そこで,自ら単純な HTML 構文で書き,それをウェブ日記の形になるように単純に吐き出してくれるような無料日記ソフトを設置したのが始まりだ。2004年3月5日のことである。

日記 CGI

ところが,すぐに問題が生じた。それが日記である以上,「カレンダー」と連動させる必要があるのだが,月が変わるたびにディレクトリ変更を手動で行わなければならない。酷く手間がかかる作業であることに気付いた。これがソフトの限界だった。

やはり作業を自動化させるためには,最低でも CGI が必要になってくる。そこで,ウェブサイトを開設して初めて CGI の設置作業をすることになった。当時は自作プログラムが大流行していたのか,CGI を無料で提供しているサイトが幾つもあった。それでも,自分のポリシーに合致するものはかなり限られてくる。

そこで目に止まったのは Auto Diary だった。この CGI を選んだ理由については,作者の説明に尽きるだろう。

ホームページに日記を公開していらっしゃる方はおおぜいいますが、日記を書くたびに目次を更新したり、結構メンテナンスが大変なものです。このシステムは、掲示板への書き込む感覚で気軽に毎日の日記を作ることができます。また、いったん書いた日記ファイルへの修正/削除も容易にできます。新着情報のページでは最新の 3 つ(変更可能)のファイルが日付と題名にリンクを貼って常に表示されます。新しく日記を書くたびにこの情報も更新されます。

Auto Diary ver0.55b 「特徴」より

そればかりではない。何よりこちらは初めて CGI の設置をする素人だ。どう動かせばいいのか,どうなれば動いていることになるのか,とにかく何もかもわからない。ところが,この CGI のディレクトリ構造は非常に単純である上,素人が躓き易そうな事柄について,作者がサイト上で一つ一つ丁寧に解説しているのだ。

それで,この日記 CGI もその作者も,すっかり気に入ってしまった。早速,これを設置した際の日記には,次の様に記している。

この日記作成システムは,懇切丁寧に作られ,細かい設定をする上で,SE によくありがちな「説明不足」というものを全くといっていいほど感じなかった。Web に提供される情報を丁寧に読んでいくだけで全て一人でできるように解説されていた。

この開発者は真に「頭のいい人」なのだと思う。

旧サイト 2004年9月1日付 COGITATIONES PRIVATÆ

とはいっても,この作者に直接ファンレターを差し上げたわけでもなんでもないのであるが……

プラグインによる拡張

こうして,数年の間,この日記システムのお陰で快適に日々の記録をとることができた。しかし,その後,ネット社会は大きく変化し,それまで課金制しかなかった回線プランに定額制が導入されて一般化し,更には,端末の主流もノート PC からスマートフォンへと移っていった。

この流れの中で,遣り取りされるメディア(媒体)も大きく変化し,画像や動画を扱うことが必要になってくる。このため,日々の記録として,ときおり画像や動画をどうアップロードしリンクさせるのかが課題になってきた。

そこで,これまで使用してきた最低限の環境を保持しつつ,他の機能をオプションとして拡張できるスクリプトがないものかどうか検討し始めた。こうして候補として上がったのが,今も尚,旧サイトで稼働し続けている tDiary である。設置したのは2011年9月のことだ 1

実は,この tDiary という ウェブ日記ソフト2は,その拡張性の豊かさから,ユーザーが自由にプラグインを開発し公表できるようになっていて,このソフトを中心としてコミュニティーが形成されているぐらいである。

この日記ソフトに移行するにあたっては,それまで Auto Diary で記録し続けてきたデータも閲覧・修正できるようにしたい。そのためには,データを変換して移植する必要があるはずなのだが,そのときにどうやったのか,今では思い出すことができない。とにかく,それまでの記録は全て取り込み,この tDiary で問題なく扱ってきた。

追記

実は,Auto Diary のほうも,今でも稼働している。労災保険給付請求に至った2011年までの記録を,「記憶」そのままに残しておくためだ。こちらのほうは,今現在,外部公開はしていない。

ちなみに,これまで日記はずっと公開し続けてきたものの,サイト全体を検索エンジンにかからないようにしている上,日記各ページもリンクできないように構成してあるため,その時々の状況から切り離して悪用する愚者には極めて利用しにくいようになっている。

そのような御仁は,自分らの仕出かした人権侵害行為がよもやネット上に記録・保管され,何時でも閲覧できる状態になっているなどとは思いもしないことだろう。

この世の「事実」を知ろうと努力もしない者が「大学人」を名乗るなど言語道断だ。

  1. この年は,労災保険給付請求を行い,大学の組織的人権侵害について,尚一層の精確な記録を残すことが必要だった。いつ自死したり事故死したりしたとしても,遺族や救済団体がその証拠収集に苦労することがないようにするためだ。
  2. このソフトが,あくまでも「ウェブ日記」であり BLOG とは仕組みが異なるということは,作者の説明からも十分に理解できるだろう。日記において重要な「日付」は、blogではあまり意味を持ちません。blogは記事が単位なので,むしろ更新時刻の明記が大事です。」このため,当サイトにおいても,各記事の「投稿日時」と共に「更新日時」が追記されるように設定してある(但し,旧サイトのウェブ日記は除く)。
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