害鳥
研究室の環境について,前々から気になっていることがある。それは研究室の窓の外にある空調機置場の「鳩の糞」である。私の研究室のある棟のこの区画が鳩の好む場所になっているらしいのである。
一般の感情からすれば,「鳩」は「平和の象徴」であろうが,「害鳥」であるという認識は薄い。それは,鳥の糞には,クリプトコッカス症(cryptococcosis)の原因となる Cryptococcus neoformans という病原体が繁殖し易いからである。
これは別に「鳩」のみにみられるものではないが,「鳩」の場合には,ある一つの場所に好んで巣を作るという習性があり,一旦,その箇所が好かれると,何度追っ払ったところで,そこへ戻り,その場所に糞が溜まることとなるからである。
怖いのは,空気が乾燥するこれからの時期で,これが粉末状になり空中を飛散し易い状態になるからである。
勿論,この病原体は,普通の土壌でも微量存在し,それで感染した例などお目にかかれないから,単に,量の違いということになる。通常の健康体であれば感染することは殆どないであろう。
だが,私の様な特殊な状態にあり,更に,実際,免疫力が低下したことが原因と目される疾患のために入院したばかりの者にとって,しかも,午後全部を費やして連続講義をしたときの体力低下に伴って感染しないとも限らない。
私は研究室にいる場合,換気のために,窓を少し開けたままにするが,そのすぐ外に鳩の糞が堆積していればどうなるか,余程鈍い頭の持ち主でなければわかるだろう。
要望書
夏季休業中に管財課に消毒散布の要望を文書にて提出しようと思っていたが,時間がない上に,体調が優れず,その機会を逸してしまった。そこで,今日出校して状態を確認した後で要望書を提出しようと思っていたのだった。
ところが,見たところ,どうも掃除をした様な跡がある。つまり,研究室に私の許可なく誰かが立ち入って掃除したわけだ。確かに研究室は大学のものであり,個人研究室の管理責任者はその研究室を使う教員ではあるものの,その管理に関しては大学の判断に逆らうことはできないであろう。
事物の連鎖
しかし,研究室には,その場所に保管が義務付けられているような書類,例えば,「成績評価書」の写し,「期末試験答案」があり,また,講義中に学生に書かせる「感想文」の様な「個人情報」に関わる書類が数多く保管されている。場合によって,読みかけの重要書類を机上に置いたままにしていることもありうる。
それ自体としてはどんなに正しいことであろうとも,他との関わりにおいて極端に悪である場合がある。この大学に,事物には連関があるということを認識できる管理者はいないのであろうか。
事物の連鎖を知ることができるということは,その人間の教養の証となるであろうに。
旧ウェブ日記2004年10月14日付