診断結果
先日の腸内視鏡検査をもとにした総合診断の結果を聞くために大学病院に行った。
午前9時が予約時間であったが,自宅を7時に出たものの,今日は殊の他乗り継ぎが悪く,相模大野の乗り換えで待たされ,伊勢原駅でバスの乗り換えで待たされ,結局,消化器内科受け付けに到着したのは9時20分頃だった。それから数十分待たされて診察を受けることになった。
前回の検査で画像を撮った箇所というのは,全て,ポリープや腫瘍ができ易い部分で,逆に,現代医療では,手術で切除しなければならない病気の患部がどの部位に生ずるのかがほぼ特定されているということなのだろう。その主要な部位の画像を見ながら医師の説明を聞いたが,どこもきれいなもので,結局,特に大きな病気はないという結論だった。
以前の胃内視鏡検査の画像も再度確認したが,胃は出血性の炎症を起こしている。また,胃壁内に筋状の炎症が見られるが,普段は胃が収縮しているために,その状態で胃酸過多によって焼け,それが膨らむと,焼けた痕が線状になるということだ。
というわけで,既に予想されていた通りに,慢性出血性胃炎と過敏性腸症候群が併発して,かねてからの水毒体質が手伝って,症状がぐずついているということになる。
合理的説明
これで,痛みが何故移動するのかについて説明がつく。今回の腸内視鏡検査を受けた際に検査士から言われたことからも推測できる。
内視鏡が胃の内壁を伝っていきカーブを過ぎようとするとき,ときどき激痛が走る。内壁が内視鏡によって押されることによって感じる痛みである。私の場合には,慢性胃炎を起こしているから,これが特に鳩尾(みぞおち)の当たりの痛みの原因となっている。
こうして,鳩尾からから左下腹部全体にかけて痛みが移動するわけである。
更に,左下腹部の鈍痛の原因もある程度特定できる。これまで診察を受けたどの医師もこれを明確には指摘していないことだが,腸の解剖学的な特徴から生じているように思われる。というのは,下行結腸からS状結腸に繋がっている箇所に急なカーブがあり,この箇所に刺激が生じ易いからである。
下行結腸に繋がるS状結腸は,ここに腸内を通過してきた老廃物が溜り,一定量に達してから直腸に押し出され,これが便となる。そして,S状結腸は,その名の通りこの箇所は急に弯曲しているわけだが,その形状は人によって癖があり,このため,腸内老廃物が下行結腸からS状結腸に向かおうとしたとき生ずる圧迫感の程度も人によって様々だということになる。
私の様に,過敏性腸症候群の症例をもっている場合には,尚のこと,ちょっとした刺激で炎症を引き起こし易くなるために,腸内の食物がカーブを通過するとき,更にその箇所がたまたま炎症が強く出ている場合,腹痛となって現れる。
健常者であれば何ともないこの刺激は,私の様に過敏性疾患をもっている場合には,端的に「痛み」として現れるのであろう。
処置無し
従って,消化器内科では,この痛みは過敏性腸症候群によって誘発された二次的な症状と捉えるため,症状が現れたら鎮痛剤を投与すればいいとのみ考えるわけである。
このため,今日で今回の症状に関する診察は全て終わり,その症状は未だ続いているにも拘らず,何の処置もなく,薬も出ないわけである。診察料は210円だった。
往復の交通費のほうが遥かに高かった。いや,この往復で無理に体力を消耗させ,症状が悪化し,帰宅するなり夕方過ぎまで床に臥し起き上がれなかった。
まあ,今回は検査が目的であったのだから,その目的は十分に達成できた。これまでの漢方処方で少しずつ軽くはなってきているから,前回の調合内容をあと2週間ばかり続けて様子をみることにした。
旧ウェブ日記2007年3月6日付