先週,マンションの階下の方が突然来て,駐輪場に置いてある家の自転車のサイクルカバーが悪戯されているということで,わざわざそれを教えて下さった。なんでも,ナイフの様なもので切り裂かれているというのだ。それで一緒に駐輪場まで確かめにいった。
そうすると,確かに,一直線に裂け目があった。階下の方は,「これはどう見てもナイフか何かで切ったとしか思えない,理事会に報告して監視カメラで犯人を確認したほうがいいんじゃないか」としきりにおっしゃるのであるが,それにしては変なのだ。
確かに,私のクロスは二重ロックをしているために,主要な3つのパーツ(ホイール及びフレーム)は少なくともそこから移動させることは困難だ。猜疑的になるならば,当初は車体全体を盗もうとしていたが,二重の地ロックを見て,その場で諦めたのだとも考えられる。また,仮にその2つのワイヤーロックを切断したにせよ,その場合でも,普段はチェーンを外しているので,乗っていくことは不可能だろう。
それで,例えば,仮に窃盗犯の仕業であったとするならば,アクセサリの類をもっていくであろうが,エア・ポンプも無事だった。あるいは仮に愉快犯の仕業であったとするならば,タイヤに刺し傷を付けたり,ワイヤー類を切ったりというのが通常の手口であるが,その形跡が全くみられない。だから,積極的に犯意のある人物の仕業であるとは,到底思えないのだ。
おそらく,これまでずっと使用していたサイクルカバーは,携帯用であったために生地が薄く,また,そもそも一時的使用が目的で作られているために恒常的な使用によって経年劣化が激しかったのだろう。それで何らかの拍子に繊維の部分断裂が生じたのだろう。遠目では刃物で切断されたように直線的に見えるものの,断裂部分をよく見てみると,亀裂に力が加わってそれが大きくなっていったようである。いずれにせよ,外力がかからない限りここまで裂けることはないが,一度断裂が生じれば,多少の強風によってもこうなることは可能である。
問題は今後のことである。で,いろいろ考えて,アラデンの防炎サイクルカバーにすることにした。今日届いたので早速交換した。
といっても,その防炎ということをよく考えてみる必要がある。例えば,今後本当に愉快犯が来て駐輪場に放火した場合,ある程度の火力が増すとタイヤなどは景気良く燃えるだろう。勿論,周りが延焼すれば,こんなカバーをしていても,熱線によってフレーム等はやられるから使い物にならなくなる。しかし,たとえ一台分であったとしても火力は弱まることにはなる。防炎カバーをしたものが燃えても大した火力にならないからだ。
集団で生活している場では,被害に遭わないこと以上に,被害を拡大させないことを考えねばならない。
旧ウェブ日記2010年2月24日付