研究会
BIBLIOTHECA HERMETICA の年末ミーティングがあった。ミーティングとはいっても,研究会における研究発表の様なものである。
全体で40名ほど出席者があった。いわゆる「何某研究会」の様に定期的に集まるという性格の会ではなく,むしろ平井氏が開設した Web サイトを本拠地とし,そこからネットを通じて相互に繋がりをもつ様になった会員同士が「オフ会」として集ったと言うほうが正確である。
しかし,平井氏のレクチャーに始まり,どれも興味深い発表だった。院生の発表であっても,既に自らの課題をもち,質疑応答でも,普段の研鑽の様子が伺えた。
思想史
先日のルネサンス研究会において再認させられたことでもあるが,日本においては「哲学史」なるものが「真っ当な」学術的活動と考えられ,「思想史」はいわば趣味的なものと捉えられがちな傾向にある。
それでもこれまでの「思想史」研究者の苦労が実ってか,若手研究者の中にも「思想史」に携わる人間が増えてきている。
雛形
その一方,大学において哲学・思想分野は縮小の傾向にあり,これに比例して指導教員が指導しなければならない分野も多岐にわたる様になり,従って,大学院生の側からすれば,まともな指導を受けられないということにもなってくる。
だからこそ,この BH の様に,IT 技術を介して相互に連携をもつということが必要になってくるのである。その意味で,BH の活動は,未来の学術的あり方の雛形を提示するものと言えよう。
私個人としては今年の学術的なリハビリテーションの最後の行事となったが,最後を締めくくるに相応しいミーティングであったと思う。
旧ウェブ日記2004年12月26日付