Solo pour la flûte traversière, BWV 1013

MUSICA

Allemande

このところクヴァンツの〈メヌエット ホ短調〉を使って基礎訓練をしてきたが,少し技術的に向上してきたところで,更に,基礎的な発音訓練をする必要性を感じ始めた。

そこで,再びバッハの〈無伴奏フルートの為のパルティータ〉BWV 1013 のアルマンドに取り組むことにした。

技術が向上すればするほど,曲を構成する音の一つ一つの音楽的意味の深みがわかってくる恐るべき音楽である。

とにかく変異音でないものは一切の「濁り」を許さず,d-g-a-hは硬く,c-e-fは柔らかいという原則を貫き,それら質を分別して出す訓練を徹底して行う。この基礎訓練の段階では「音楽性」は一切関係がない。

この音素材の基礎が完全に仕上がれば,自ずとそこに「音楽」が立ち現れ,「神秘」が宿るはずである。それは人間の制御を越えている「何か」である。

この無伴奏フルート組曲については,以前にも触れたことがある。心身の余裕が出てきた折に,また再考したいと思っているところである。

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