病院へ
大学のほうで「診断書」を出してほしいと言われたので,以前に入院した病院に行き,そのときにお世話になった担当医の問診を受け作成してもらった。
そもそも「診断書」を提出するというのには些か厄介な問題が絡む。というのは,嘗て大学病院(入院した病院ではない)で診断された病状である過敏性腸症候群というのは,精密検査を受けても何の形態的異常が無いにも拘らず強い自覚症状が現れるものを総称したものに過ぎないからである。
つまり,この症状を証明するデータは,そもそも存在しない。大学のほうでは当該の「診断書」は形式的なものでいいと言うのだが,しかし,こちらで幾ら形式的だとは言ったとしても,医者の方は診断しなければならない以上,嘘は書けないだろう。
しかし,それ以上に問題であるのは,その診断によって,すっかり内服治療することになってしまったことである。
心療内科
本当は,年末に人間ドックに入り,その結果を俟ってから心療的な相談をして,診断書を発行してもらおうと考えていた。ところが,もうこの時期で年末まで予約は満杯で,どんなに早くとも年明けの5日になるとのことだった。一方,その「診断書」のほうは,年内でなければ困るという。それで,嘗て夜間応急処置を受け入院した近隣病院に行くことにしたわけである。
困ったことに,ここには心療内科は無いので,通常の内科で相談をすることになる。担当医は入院の際に御世話になった先生であるので,信用できないわけではない。が,その際の対症療法の後遺症で膀胱炎が慢性化しかかったのも事実で,更に,その後,2年間ほど原因不明の白血球増加で苦しむことになった。そもそも,これまでの経緯から私が推測するに,嘗て入院したとき,既に過敏性腸症候群の症状が出ていて,その際,強い発作が併発していた可能性がある。
つまり,この医師が「過敏性腸症候群」の症状を軽く考えているために,見落としていたと考えられ,その後,大学病院で精密検査を受けた後に問診するまで放置されていたということになる。
副作用
それでその指導なのであるが,勿論,この夏から自覚症状として強く現れてきていた自律神経失調症からくる不眠に対しては,睡眠導入剤を処方してもらうことになったので,その限りではよかったのだが,過敏性腸症候群に対しては,通り一遍のコロネル錠が出されただけである。
実は,大学病院では下手に薬物的対症療法をすると症状を悪化させかねないから,強い痛みが出て我慢できないときに鎮痛剤を服用する程度にしたほうがよいと指導されたので,それ以来,漢方薬による自然治癒に頼ってきたわけである。強い心因性ストレスを受けない限り,症状は悪化することはないのだから,これまではそれでよかった。
しかし,今回は,「診断書」を書いてもらわねばならないのだから,その担当医の指導に従わざるをえないだろう。
で,朝一で病院に行って薬をもらってきたので,朝食からこのコロネル錠を服用しているのだが,案の定,症状が不安定になってきた。
大学から「診断書」を提出してほしいと言われたとき,既に予測はついていたことなのだが(というのは,心療内科でも余程この症例に詳しくない限り,その指導で症状を悪化させたという事例は数多くある),病状を増悪させなければ証拠にはならないらしいので,仕方がないだろう。
このまま体力を消耗し,他の病状が併発して,嘗て入院したときのような重篤な症状に陥らないように,心ある人々は祈っていてほしいと思う。
旧ウェブ日記2008年12月13日付