新年度初回会議

MGU

やってはならないこと

去る金曜日のことなのだが,この日,新年度初の学科会議があった。

よく晴れた日でもあり,会議は午後からだったので,午前中,体調を整えるために,自転車で近場をまわってすぐ帰ろうと思い立った。

こういうときに限って,やってはならないことをやってしまうものだ。ちょっとした坂を登ろうとしたときに,いつもならば決してやらないことをやってしまった。通常,坂を登るときには,そして,フロントギアを軽くする場合には,その坂が始まる前までにはインナーにしておかなければならない。

このタイミングを間違えると,坂を上り始めたところで,チェーンに強いテンションがかかったままでギアチェンジをすることになるが,このときヒルクライムの選手でさえ,チェーン落ちを起こしてしまうことがある。素人は絶対にやってはならない。

そのやってはならないことをやってしまった。

チェーン脱落の瞬間は,それに気づかずクランクを回しつづけるが,瞬間的に推進力がなくなるわけだから,やがて,それまでの前方への慣性力と坂を落ちていく力とが釣り合い止まることになる。それに気づくのは,止まった瞬間だ。ところが,spd を使用しているために,これを外さないと足を着くことができない。

すると,そのまま倒れることになる。これまでも倒れそうになったことはあるが,いつも事前に spd を外していたので大丈夫だったが,坂での平衡感覚というのは,平地とは異なるために,その判断が遅かった。

爪甲剥脱

いつもは,それでも負傷することはなかったのだが,起き上がってチェーンを直そうと道の脇に自転車を退避させて,ふと左手を見ると,小指から血が出て何かがぶら下がっている。よく見ると,爪だ。完全に指先から剥がれて,2ミリくらいの皮でつながっていた。おそらく,倒れたときに地面とハンドルで強く圧迫されたのだろう。

それで一時的に指先の神経が麻痺し,痛みが感じない状態だった。咄嗟にかろうじて皮で繋がっている爪を引き離した。全く痛みはなかった。爪が剥がれるなどというのは,生まれて初めての経験だ。だが,その傷の状態を見て,「しめた」と思った。というのは,中途半端に割れたり残ったりすると,再生したときに変形する可能性が大だからである。本当に気持ちのいいくらいに全体が綺麗に剥がれてくれた。

状況が状況であるだけに,決して落ち着いていられたわけではないが,ここは落ち着かないといけない。次にどうするべきか。血はそれほど出ていなかったが,出ていることは出ている。それを拭わねばならない。

それで,近くに公衆トイレがあったことを思いだし,そこに行ってトイレットペーパーを拝借して,傷口を水道水で流してから軽く拭いた。少し痛みを感じてきた。こうなると,痛みが本格化するまでの時間の勝負だ。

抗生剤

急いで自宅に戻り(勿論,必死なものだ),近くの病院に行った。そこは,以前に入院した救急病院だ。

外科の外来で行ったのだが,受付係が気がきかず,以前の膀胱炎で通院しにきたものだと勘違いしたらしい。20分ほど待たされて,やっと他の看護師が気づき,慌ててその場で応急処置をしてくれた。その後,10分ほどしてから外科医の問診があり,傷の状態から通常の処置を施せば大丈夫じゃないかと言われた。

すかさず私のほうから骨の異常がないか念のためレントゲンをとってくれと頼むと,そのほうがいいだろうということで,それからすぐにレントゲン室に向かった。どうも小指一本だけのレントゲンをとるようだった。すぐに写真はできたので,それを持って診療室に戻ると,変形やヒビなどはないという。ただ,最初の処置が肝心だということで,明日来院して変化を観たほうがいいと念を押された。

この日は抗生剤を出された。以前に膀胱炎で通院したときと同じフロモックスだった。

そういえば,3月に入ってから,腎結石ができたような自覚症があり,その後,少し怠い時期があったから,もしかしたら常在菌(大腸菌)への軽い感染があったのかもしれない(つまり膀胱炎)。そういう意味では,ここで抗生剤を飲んでおいても損はないだろう。

そのまま白金校地の会議へ

しかし,抗生剤は化膿止めにはなっても,鎮痛作用はない。痛みは増す一方だった。

それで,学科会議に参加するかどうか迷ったのだが,その後,痛みが一定に治まってきたので,会議には参加し,予定されていた懇親会は欠席させて頂くことにした。

会議初回については言いたいことは山ほどあるのだが,それはまた別な機会にハキ出スことにしよう。

疲れてきたのか,やはり痛みが強くなってきた。こういう風に人が負傷しているときに限って,妨害するバカが増えるものだが,細々したことはさて措いて,とにかく必死で家に辿り着いた。やはり早めに処置をし,早めに抗生剤を飲んでいたお陰で(最初の投与は,品川駅近くのスタバだった),熱は出なかった。とにかくすごい疲労だったので,そのまま寝てしまった。

翌日

朝一で予約をとり,診てもらった。ただ包帯とガーゼを取り替えただけで,診察らしい診察もなかった。まあ,薬をもらうための手続きだと思えばいいだろう。この日は塗り薬を出してもらった。ゲンタシンという殺菌・抗菌作用のある薬だが,それと共に,組織がガーゼ等に付着しにくくする効果があるらしい。

その後,ドラッグストアに行って,ガーゼ類を買ってみた。怪我のことは怪我をしたときにしか考えないので,幾つか試しに買ってみることにした。防水性のあるものや,新しいパッチの類を試すことにした。

恐れていたのは,ガーゼを取り替えるときの痛みである。大体,組織が固まって癒着を起こしてしまうので,それを引き剥がし,患部から再度出血することになる。ところが,最近の医療における進歩は凄いもので,全く癒着を起こさない。

実は,私は小学生の頃に,左の人差し指の先端を5ミリほど切り落としている。それを治療したときには,毎回毎回,患部がガーゼに癒着を起こし,病院では痛みを和らげるために微温湯の中で引き剥がしたが,それは気休め程度のものでしかなく,その度毎に激痛との戦いだった。

それを記憶していたので,今回も相当構えていたが,そうした無用な苦痛を味わう必要はない。それがせめてもの救いである。

そういえば,昨日から腸の具合が著しく悪い。先日の白金出校のお陰で過敏性腸症候群がまた悪化したのかもしれないとも思ったが,直接的原因は,抗生剤の副作用じゃないかと思う。腸内細菌のバランスが崩れたのだろうと推測する。4日間は投与を続けないとならないから,この投与期間が過ぎた後の状態変化から判断するしかないだろう。

それにしても,キーボードの替え指っていうのは難しいものだな。試しにこれだけ打ってみると,結構,ミスタッチで時間がかかるな。


旧ウェブ日記2007年4月7日付

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