横浜校舎
授業があったので,「りなざう」を持っていき,研究室でネットに接続できるように設定した。
とは言っても,朝届いたメールへの返信を書き終えて家を出るのが10時半,正午に大学に着いて,それから授業用教材の準備と事務仕事とにとりかかり,午後最初の授業までの間にその全てを終えなければならない。
食事は殆どとることができない。そのまま3コマ連続で講義をし,再び研究室で仕事ができるのは6時半である。
proxy
最初の目論見では,単にコンパクトフラッシュ型 LAN カードを「りなざう」本体のCFスロットに差し込んで,LAN ケーブルで接続すればいいと思っていたのであるが,IP,ゲートウェイ,DNS 等々を誤りなく設定し,かつ,本体は学内 LAN に接続することに成功しているにも拘らず,ブラウザでホームページを見ることができない。
これで講義直前まで時間が浪費された。5時限が終わって戻ってから再びあらゆる設定を確認したのだが,それでもわからない。
そのとき,ふっ,と思い出したことがあった。Netscape Navigator や Internet Explorer の場合であれば,proxy 設定の項目がある。ところが,「りなざう」にインストールされている Net Front の設定項目にはそれがない。もしやすると,と思い,急いで本体の「ネットワーク設定」をくまなく探した。あった。ここに学内 LAN 用の proxy を設定すると,ものの見事に Web 閲覧が可能となった。メールについても,自宅で設定をしておいたので,同様に使用可能となった。
ルータ設定
これが終わって,更に,ルータの設定をした。
普通は Windows に設定用ソフトをインストールして,このソフトによって設定を行うことになっている。だが,そのソフトを Linux で使用することはできない。
だから,「りなざう」とルータを LAN ケーブルでつないだ後,ブラウザ上からルータの IP を直接打ち込んで設定画面を開く。これは問題なくいった。
セキュリティーポリシー
ただ,注意しなければならないことは,これが「無線ルータ」であることだ。今のところ無線は必要ないし,大学の規程上,現在は使用できない。だから,無線接続の制限をし,外部の無線 LAN カードによって検知できないようにしておく必要があるのだ。
また,全国の大学・研究機関において,無人化した研究室への不正アクセスが野放し状態になっている以上,私の研究室のように,実質上「研究室」の役割を果たせない場所においては,ルータそのものに対する攻撃に気付かずにいるという可能性も出てくる。何らかのセキュリティ・ポリシーを打ち立てておくことは,今やネット社会の最低限のモラルである。
このルータは電源を落とせば,次回電源を入れた場合に,設定を最初からやり直さねばならない箇所が出てくる。そのため,電源は入れたままにして,学内 LAN とつないでいるケーブルを抜くことにした。
かくして,最大の危機管理は,ハード上の連続性を断つという最もプリミティブな仕方でなされることとなった。原初的なものこそ根本的なものであるというのは,まさに哲学の原点であろう。
旧ウェブ日記2004年4月22日付