Marinus Mersennus

SCIENTIA

出版予定

弁当を食べているとYO先生が来られ,ちょっと話をした。先日出版社の方と会った際に,例の数理思想の著書についての話題が出たらしい。

しかし,本当に私が著書なんか出していいんだろうか。それに,ある程度一般向けで通史的なものともなると,いい加減なところが出てきてしまう。よほど上手く構成しないといけないだろう。勉強が必要だな。

マイクロフィッシュ

そんなこともあって,午後の時間を利用して久しぶりに図書館に行き,例のメルセンヌの Quaestiones celeberrimae in Genesim のマイクロフィッシュについて尋ねてみた。すると,既に閲覧可能となっていた。

おまけに,ついこの間,閲覧・複写機材のメンテナンスをやったばかりだという。この数年の間利用者はなく,そのついこの間に一人の閲覧者がたまたまあり,その際に不具合が発覚して早速直したのだという。絶妙なタイミングだ。このところ閲覧者がいないのだからメンテナンスの必要はないのではないかという声もあったらしいが,係の方が,閲覧者が有る無しの問題ではなく,常に整備しておくべきだと強く主張したらしい。立派な心がけだと思う。

それにしても焼き付ける枚数が半端じゃなかった。最初は慣れないから機材の癖がわからない。オートにしておくと,例えば自動で枠消しを設定しておくと,全部が消されて白紙になってしまったりする。しばらくしてコツが掴めたので,後は機械的に作業を進めた。

資料

この資料,やはり大変な内容だ。目当ての内容が書かれているかどうかはまだ確かめていないのだが,「創世記」の註解でありながら,予想した通り,半分以上は音楽について書かれているのだ。世界に散らばるメルセンヌ研究者とやらは一体どこを読んでいるんだろうか。

見開きだけで500枚にもなるから,頁数でいうと,2,000頁(というのは,列毎に頁数が打ってあるところが大半だから)以上にも及ぶ。こんなもの精読できたもんじゃないだろ。世の中,読んだふりしてる連中だらけだよな。

下手をすると,17世紀哲学史の常識が覆ることになるぞ,これ。だって,後半,かなりの頁数にわたって,丁寧に楽譜まで載ってるんだから。もしかしたら,ピュタゴラス主義と『ティマイオス』の問題が,もろに扱われているかもしれない。

それと「キリスト教的創造」の問題について,メルセンヌとデカルトに共通したものが何だったのかが明らかになるかもしれない。


旧ウェブ日記2008年4月15日付

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